土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
寒さが増したり、ちょっと暖かったりと気候が動き出しています。
季節が変わろうとしているのを感じますね。
我々ビジネスパーソンも春を感じる着こなしの準備をいたしましょう。
とはいえ春のスーツとはなんなのでしょうか?
- 冬物とは違う春物とは?
冬と春のスーツの違いとはなんなのでしょうか?
近年はスーツの衣替えという文化が無くなってしまいました。
その為冬物と春物といった季節でスーツを変えるという習慣を知らない方が多くなっています。
誰も教えてくれないんですから、知らなくて当たり前なんですけどね。
ですので、知識として手に入れておいてください。
冬物と春物の違い
生地が違う
これだけです。
仕立てとか構造に大きな違いはほとんどありません。
厳密に言えばちょっと違うところもありますが、そんなのは枝葉の端っこみたなものですから特段気にするほどのことではないです。
大切なのはスーツに使う生地が違います。
これが覚えておきましょう。
では何が違うのか?
- 冬物は保温重視、春は放熱重視
スーツに使われる生地の素材の基本はウール(羊毛)になります。
安価な製品が増えている分ポリエステルなどの化繊を使ったものが増えてはおりますが、ウールが主役なのは古今東西変わりません。
そのウールですが、冬も春も、夏も秋もみな同じウールで出来ています。
そう素材はみな同じなのに季節によって違いがあるのです。
不思議ですよね。
このウールは冬は暖かく、夏は涼しくしてくれるという二律背反な特性を持っています。
その効能を最大限に発揮するするような織物にしているのが最大の違いです。
織り方を変えるだけで、保温性を高めることも涼しくすることも可能というわけです。
ちょっとだけ専門用語でいうと、
冬物は綾織り、春物は平織り
となります。
特に覚えなくても大丈夫ですが、もしスーツ屋さんで春物かどうかわかりにくいスーツを見つけた際には店員さんに聞いてみてもよいでしょう。
夏にスーツを着用する習慣が無くなってから、明確に季節が分かるようなスーツがどんどん少なくなっていき、どちらともいえないようなスーツばかりが多くなってきています。
ですから素直に聞いてみましょう。
というわけで、スーツに使われている素材はどんな季節であろうともウールが基本です。
同じウールなのにその季節を快適に過ごせるような特性を持っていて、それを最大限に引き出すような織物になっているということです。

スーツで季節を表現するという習慣が無くなってしまった現代ですが、だからこそ逆に効果を発揮します。
中庸な着こなしの中で明確に春と分かる着こなしを実践してみてください。
だれも気にしていないからこそ正しく自分を表現することが出来るのです。
そして望む方向に記憶してもらえるはずです。
この差は益々大きくなる一方でしょう。
ぜひ春に合わせて着こなしを変化させる。
スーツで春を表現する。
試してみて下さいね!
もちろんココアッソでは春のスーツをバッチリお仕立てしております。
土方 洋
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