ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
今日はパーツのお話です。
ジャケットの左胸の内側にチケットポケット(名刺入れ)というポケットが存在します。



これをチケットポケット(名刺入れ)なんて呼んでいます。
これはオーダーメイドスーツの世界では、現段階においてごく普通に存在するポケットです。
用途はなんなのか?
実際に名刺入れの名の通り、名刺交換をされた際にココに入れるのかと問われれば、まずそんなことはしないでしょう。
むき出しでしまうなどという失礼をするわけにはいきませんからね。
実際に何に使っているのか?と問われれば、切符、何かの半券を入れるくらいでしょうか。
ここで何かお気づきになりませんか?
そうです。
切符をもう購入する時代ではありません。
電子化、ペーパーレス化が標準となる時代には用途不明なポケットになりつつあります。
実際に何かに使われていらっしゃる方もおられるようですが、ココアッソにおいてはほとんどが不要とおっしゃられるポケットですね。
- オーダースーツでも時代と共に必要が無くなる仕様もあると感じています
現代のスーツのサイジングではジャケットのポケット類にモノを入れることを前提にしていない場合が多いです。
前世代のなんでもポケットにモノを入れられる仕様とは根本的に違ってきているということです。
このブログでも何度も書いておりますが、ボクがポケットに収納していいのはスマホのみと定めております。(内ポケットですよ)
どうしてもの緊急時に臨時のその他のモノを短時間入れるところまでは可としています。
そういう時代において、ボクはもはやこのチケットポケットは必要ないのではないかと思っています。

時代の変化とともに必要がなくなる仕様もあるのです。
オーダーメイドというと歴史にこだわり、多様な仕様が追加されていきました。
様々な仕様が生まれそして消えていく仕様もあります。
これはボク個人の考えですが、チケットポケットは無くても良いと思います。
もちろん明確な用途があるのであれば、作成出来ますが、基準としては無しを標準としています。
ココにポケットを付けるのにも手間とコストはかかりますからね。
必要を感じていないのであれば、無くていいでしょう。
ちなみにボクの自分のジャケットも付けていません。
スーツとはほぼ完成した領域に辿り着いた衣服です。
そして時代に合わせて多様な仕様をあの手この手を考えて盛り付けてきました。
しかし、時代が変わり、何かを手に入れる為には、何かを手放すことを考えねばならない時だからこそ、そろそろスーツの仕様のあり方も変化していく時じゃないでしょうか?
切符を買わない時代になりましたからね、このチケットポケットも無くていいでしょう。
土方 洋
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